読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

今月の作ってみた 11月編

スピーカー 工作 作ってみた
月イチ工作の11月編。今月の作ってみた、です。 
今回のお題は「12面体スピーカー」。先月から作りはじめたスピーカーシリーズの第二弾。

完成品の姿はこちら。


ところどころ荒が目立ちますね。板の切り出しで精度が出せず、隙間だらけで間をパテで埋めたりヤスリで角を削ったり…。これでも今回は試作を経ての工作でした。

まず、3DCADでパーツを設計します。今回使った3DCADは「Autodesk Fusion 360」です。今回は趣味の範疇なので体験版から「スタートアップまたは愛好家」としてサインアップしています。

スタートアップまたは愛好家としてサインアップ(無償)非営利団体または事業の売上高が10万ドル未満の場合、Fusion 360を無償で1年間ご利用いただけます。また、必要な期間に応じて更新できます。
インストールとアクティベートが終わったら具体的にパーツを作っていきます。今回必要なパーツは筐体とスピーカー表面のカバーです。CADの使い方を覚えながらちまちまと設計しました。その時の様子はこんな感じ。




3DCADといえばRSのDesignSpark Mechanicalもあります。 実は今回こちらも使ってまして、その用途はデータ形式のコンバータです。試作には3DプリンタダヴィンチJr,を使いました。この3Dプリンタで使える形式でFusion 360から保存ができなかったので一度DSMを通して形式を変換しています。具体的にはSTEP形式 (Fusion 360) → STL形式 (DSM) → 3W (3Dプリンタ)です。慣れてきたりライセンスに問題が出てきたらDSM一本でもいいかもしれませんね。

パーツの設計が終わったら、ちゃんと組み立てられるか3Dプリンタで出力してみます。


nitteruさん(@nitteru)が投稿した写真 -


スピーカーの収まりや筐体の組み立てに問題がないことを確認したら、図面に沿って木板を切り出します。 まずは筐体接合部を斜めにカットしなきゃいけないので木工初心者にはスライド丸のこが必須。このスライド丸のこ、買えない値段ではないもののアパートで使うものじゃありません、当たり前ですが。で、今回はDIYの強い味方ハンズマン工作室と機材を借りて切り出しました。切り出したあとはボール盤でネジ穴を開け、自由錐でスピーカーを収める穴を開けます。これを総数26枚、たまにハンズマンのお客さんからちらちら視線を受けながら3時間ほどかけて加工しました。

次に加工した板を仮組みします。ここで大きな問題発覚。スライド丸のこのガイドが湾曲して曲がっていたせいで板の切り出し精度が悪く、組んだときにパーツが合わない事態に。ここで慌ててパテと目の粗い紙やすりを追加購入しました。


なんとか自己崩壊しない程度まで手を入れて、スピーカーを入れます。今回使ったスピーカーは秋月電子通商の 東京コーン紙製作所製F77G98-6。数割で1個250円の安価で評判のいいスピーカーです。これを18個購入して、スピーカー同士をつなぐハーネスを作って接続します。スピーカーのインピーダンス8Ωを合わせるために3個直列にしたあと、それを3つ並列にしています。本来、スピーカーの直列は音質の面で推奨されないらしいんですが、今回ばっかりは致し方なしです。

この辺りまで終わったらスピーカーを入れて仮接続して音を鳴らします。

…あれ、音が妙に篭もる…。

篭もるというか高い音があまりしていない感じ。ハイハットやシンバル、女性の声などが妙に聞きづらい感じ。逆に中低音というか若干低めの音が大きく感じます。この時になってようやくスピーカーについて調べると、こんな意見を拾うことができました。

  1. スピーカーを直列にしたせいでお互いが影響して信号が劣化した可能性
  2. スピーカーの反応速度がばらばらで音の鳴り出すタイミングがずれて、結果高音が潰れた可能性
  3. 複数のスピーカーを同じエンクロージャーに入れる→見かけのスピーカー径が大きくなり低音が増幅された可能性
  4. その他、エンクロージャーの容量やスピーカー同士の共振の影響
似たようなとこでBOSEのスピーカー、901という背面に多数のスピーカーを並べたものがあるらしいのですが、こちらはイコライザを入れて鳴らしているとの話しもありました。要するに12面体のような2つ以上のスピーカーをエンクロージャーに入れるシステムは難しい、と。対策としてはツィーター入れたり吸音材やバスレフの調整でしょうか。スピーカー、奥が深いですねぇ…。

その代わりと言ってはあれですが、音の広がりは評判どおりなような気がします。スピーカーの位置と存在があまり気にならないかもしれません。

と言うことでここまで来たら一度区切りをつける意味で接合部の段差を削り面取りして筐体を塗装、軽くニスを塗ってスピーカーもちゃんと固定して完成に持ち込みます。それが最初の写真になるわけですね。

反省点としては、上記の音に関するものとあともう一つ。スピーカー上面に吊り下げ用アイボルトか底面に三脚用マウント用のネジを付けていません。本来は吊り下げたりして天井などの高い位置から鳴らすのが一番効果あるようです。今回のスピーカーについては接着強度の問題から怖くてそんなことできませんが。せめて三脚用のネジは付けておくべきだったかと。


今回はスピーカーと言ったら木製だろ、と言うことで3Dプリンタで試作してわざわざ木板を切り出しました。完成してから思ったのですが、もう少しRをつけたりして見栄えを良くしたあと3Dプリンタで色とりどりのパーツを出力してそれを組み立てキットにするのはどうかなぁなんて考えています。

基本的なパーツだけ入手できれば、あとは自分で音に対して追求・工夫することができますし、秋月などで手に入るスピーカー数種類をめどにして好きなスピーカーを使えるようにするのも面白いかもしれません。3Dプリンターはフィラメントを変えれば色も変えられますので、好きな配色にすることもできます。気になるのは3Dプリンターの軽い材質でちゃんと音が鳴るか、でしょうか。

余談ですが鹿児島にものづくりCafe「TUKUDDO」さんがオープン予定です。3Dプリンターも置いてくれるらしいのでそこでパーツを作ってセミナーをするのも楽しそうですね。


今回は途中経過を載せなかったので長くなってしまいました。次は何を作りましょうかねぇ。